2008年5月25日日曜日

コードを話題にしないシステム屋さんは滅びなさい。

oreilly.co.jp -- Online Catalog: ビューティフルコード;

真っ当な技術者にって、この本は必読本です。

この本に竹内郁雄氏が推薦文を寄せており、その冒頭の言葉が振るっています。


「最近,プログラムのコードの話をするのは,ソフトウェアのなんたるかをわかっていないような言われ様をするようだが,コードの話をしないで,なにがソフトウェアかというのが筆者の強い思いである.プログラムを書いたことのないシステムエンジニアが威張っているような会社は早晩滅びる.」


しかり!そんな知能においてヘタれでしかない連中に給料ドロボウをさせている企業は、明日にでも滅びるべきであり、そんなところで鬱屈している真っ当な技術者はとっとと「勤め先を棄業」して「ソフトウェアの真髄を提供する職業集団・階級」を建てるべく行動していくのが「道 Tao」であろうと思います。

2008年2月23日土曜日

"Un homme et une femme"


(以下は某所に送ったモノの転記)

「わたしは、この花が見たいのよ」ケータイで蘭の展覧会HPを見せる女。
「へぇ、きれいだね」
「花なんて、興味ないんでしょう?」
「そんなことないよ。来週は、ソコに行こうよ」
「ホント?連れてってくれる?行こうね!約束よ」
…そんな風に始まる男と女もある。

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ゲノム研究により、現在の人類の先祖の家系はどれくらいの数だったのかについて判ったらしい。その値は、1000。これは、ある任意の動物種が絶滅するかどうかの境界線でもあるそうだ。おおよそ 7 万年前の氷河期、コーカサス地方に 2000人程度の男と女が生き残った。その子孫が、現在の 60 億人を超える人類なのだそうだ。
言ってみれば、人類は“生物種のリブート”を行ったことがある生き物ということになる。自分たち以外のすべての動物からは“容易くエサにできる軟弱な連中”でしかないと見なされた条件下で生き延びた男女の子孫、それが私たちなのだ。

この知見から、最古の文明で律令や戒律とされていた事柄は完全に敵対的な環境下で人類という動物が守ることができた最小限の「ルール・セット」だったのだろうという説が法律学者・社会学者から提出されはじめている。
「七つの大罪」であるとか「十戒」であるとか、どんな原始的な部族も共通に確立しているタブーなどは、「人類をリブートするには、これより多くても少なくても失敗に終わる」厳密な検証を加えられたルール・セットの形式を今に伝えているということらしい。

丸山真男という日本の思想家の言葉にもあるように「法はグッドネスではない」。法やルールは、自然も含めたすべての環境のデメリットに対処しその時々の状況で定まる適切なコストで得られるメリットのすべてを獲得する課題に対する“プラン・行動・結果評価そして利益配分を行うシステム”である社会を破綻させないための「コード」でしかない。

システム屋の実感としては、「コード」しかもシステム自体のリブートに関わるようなクリティカルなコードは「少なければ少ないほど正しい」。また、効率的で柔軟かつ頑健なシステムを構築する際にもっとも頼りになる指針は「KISS (Keep it simple, stupid!:バカみたいに簡単にしておく。ただし、バカになりすぎないように)」ということになる。

20世紀の終わりあたりから、私たちは、社会システム向けコードを無駄に増やしすぎてはいないだろうか?
「自然」と名がつけば人体にやさしいものだと勘違いしていたり、運用しきれないほどの監視・防衛装置を購入・設置できることが安全や治安を確保する能力の証明になるとか、同世代の子供より抜きん出て秀でた点がない子供にまで「一律な高水準の教育」を長期間にわたって与えることが国際競争力を育むであるとか…

生き物としての生存や繁栄には不要なほどの“極端な富豪”を自動的に産みだすことを可能にした「グローバル化された市場経済」というメカニズムを20世紀中に構築した私たち人類は、そろそろ、こんな質問に答えることを迫られているのだろう:
   『ところで、その極端な富を確保するワザを、いったいナニに使う気なんだい?』
多分、7万年前と同質でクリティカルな状況で、私たちは「最小限の必須コード」を見つけ出
さなければならなくなるだろう。しかも、私たちの生まれついての性向からして、その「コード 2.0」を KISS のココロで構築するのでなければ、運用も維持もできないだろう。

私たちの目の前で現実になってしまった、この21世紀が「人類2.0」構築工程の始まりであるのならば、上々な出来の成果を残せると期待したい。

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「一番、やわらかい肉はシャトゥーなんだね?…では、注文は以上だ!」
「…なんだか、あれだけじゃ悪いみたい」
「そうかい?じゃ、彼をもっとよろこばせよう!
 ギャルソン!……部屋を注文する」
……♪ダァバァダ ダバダバダ、ダバダバダ♪
(from “Un Homme et Une Femme”: a film by Claude Lelouch)